プラスチックのお話

 

分 類

 
プラスチックは熱に対する性質の違いから、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の二つに大別されます。

 

 

熱可塑性樹脂

 

 熱を加えると溶けてやわらかくなり、一度固まっても熱を加えると再び柔らかくなる性質があるものです。

 

 チョコレートのようなもの      

 

 

熱硬化性樹脂


 熱を加えるとかたくなり、一度固まると再び熱を加えても柔らかくならない性質があるものです。

 

  クッキーのようなもの   

 

化学的構造

子供のおもちゃの「ブロック」を思い浮かべてください。いくつかの凸凹があって、これをつなげていくと長いひも状のものをつくることができます。

プラスチックは、ブロックに相当するエチレン(これを単量体またはモノマーと呼びます)をつないで(重合して)できたもので、ポリエチレン(これを重合体または、ポリマーと呼びます)というものです。

  モノマーの「モノ」はひとつという意味で、ポリマーの「ポリ」はたく
     さんという意味

 

プラスチックは多くの場合、このモノマーを千から数万個つなぎ合わせたものです。

 

原子はその種類によって隣の原子と「結合する手」を持っています。

例えば…
        炭素は4本、酸素は2本、水素や塩素は1本

一番簡単なエチレンは炭素2個と水素4個からできていて、炭素同士は 2 本の手でつながっています。この 2 本の手の 1 本を放して、隣のエチレンと手を結ぶと長いポリエチレンになるわけです。

      

何からできている?

原油を温度で分ける(分留する)とガソリン、灯油、ナフサ、軽油、重油などが得られます。

それぞれ、自動車の燃料、暖房用の灯油、プラスチックや石油化学の原料、バスやトラックなどのディーゼル自動車の燃料とて使われます。このナフサからプラスチックの原料となるモノマー(エチレン、プロピレンなど)をつくり、それをつなげてプラスチックにします。

原子レベルで見てみると…

石油は炭素が長くつながったものです。 (石油と同じ化石燃料)

このままでは使いにくいので、

沸点(液体から蒸気になる温度・水の場合は 100 ℃)の差を利用して分離します。

               

    ナフサ 灯油、軽油、重油などになります。

                              

    このナフサをさらに加熱分解します。 

                   

    炭素が2個とか3個の長さにし、沸点の差を利用して分離します。

                

      プラスチックの原料モノマーになります。

モノマーは多くの場合、常温で気体(エチレン、プロピレン)や液体で、刺激臭があったりして、そのまま利用することができません。これが千〜数万個重合したプラスチックでは常温では固体で、安定しており、生物に対して不活性で無害なものになります。

 

 

 重合させる(つなぎ合わせる)には、プラスチックの種類によって異なりますが、多くの場合、重合反応が速やかになるような触媒を加え、あるいはモノマーを溶かすような液体にとかして、高温にしたり、圧力をかけます。

軟質ポリエチレンの場合…

 触媒を加えて 1,000 〜 2,000 気圧、200 〜 250 ℃という厳しい条件で重合しています。

 重合してできたプラスチックは、粉状だったり、
とけた餅のようになったものです。これに、成形品
に加工するときに必要な添加剤や長期間使用すると
きに必要な添加剤を高温で加えてまぜ、粉末あるい
は、ペレットという粒状にして出荷されます。
                                     
                             ペレット   
                             
 とくに食品に使用される主要なプラスチックには、食品衛生法に従って
    一定の基準が定められており、残留モノマー(未反応の原料モノマー)や
    添加剤がチェックされています。

 

 

 

 

 

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