添加剤
プラスチック製品の物理的、化学的強度、特性、機能を向上させるために様々な化学物質を混合して作られています。
可塑剤には次のような種類があります。
製品に柔軟性を与えます。 チューブを曲げたり、ラップのように自由な型にできます。 プラスチックの種類によっては加える必要のないもの(例:ポリエチレン)もあります。 プラスチックだけでなく、ゴム、塗料、インキなどに添加されることがあります。
【特徴】 可塑剤が最も多く使われているのは、相和性のよいポリ塩化ビニルおよび、ポリ塩化ビニリデンです。 ポリ塩化ビニルの高分子は透明でガラスのように硬いですが、可塑剤を加えると分子の隙間に入り込み、分子運動がしやすくなり、柔軟性が増えます。添加量は目的とする製品の物性に応じて1〜50%程度加えます。 添加量が多いほど柔軟性がよくなります。 可塑剤は透明な油のような液体です。
【種類】 フタル酸エステル系化合物 アジピン酸エステル系化合物 クエン酸エステル系化合物 リン酸エステル系化合物 エポキシ系化合物
劣化とは:プラスチックは一見強そうに見えますが、高分子は空気中の酸素、紫外線、熱や溶媒など様々な物理的、化学的な作用、微生物によって分子鎖が切断され、ぼろぼろになってきます。これを劣化といいます。
【種類】 有機スズ系化合物 エポキシ系化合物 金属石けん系化合物
主に空気酸化による劣化とそれに伴う強度の低下、割れ目の発生、着色などを防ぎます。 安定剤の一種で、プラスチックの分子結合が製造時および使用時に空気中の酸素により酸化され切断され、強度の低下、亀裂の発生、着色などを生じるのを防止するために添加する化合物です。
【種類】 フェノール系化合物 リン酸エステル系化合物 イオウ系化合物
紫外線によるプラスチックの分解や劣化を防ぎます。 日焼け止めクリームと同じで、プラスチック自体が紫外線で分解されるのを抑えるためと、包装された食品が紫外線で劣化するのを防止するために加えられる化合物です。
【種類】 ベンゾフェノン系化合物 ベンゾトリアゾール系化合物 ベンゾエート系化合物
成形品が型から取り出しやすくします。表品の表面を美しく仕上げます。
【種類】 脂肪族炭化水素系化合物 高級脂肪酸系化合物 高級脂肪族アルコール系化合物 脂肪酸アマライド系化合物
帯電を防ぎます。 大半のプラスチックが静電気を帯びやすい性質(帯電性)を持っているので、この帯電現象を抑えるために添加される化合物です。 帯電現象によってプラスチック製品に小さなゴミやほこりが吸着したり汚れたりすることがあります。
【種類】 界面活性剤 非イオン系化合物 アニオン系化合物 カチオン系化合物
製品に色を付けます。 商品としての見栄えを良くするだけでなく、商品の識別のため、中身の保護、目隠しのためなど様々です。
発泡ポリスチレン 、発泡ポリエチレン、ウレタンフォームなどの発泡製品を作ります。
燃えにくくします。 高温にさらされた場合に、製品が燃え出さないようにするために加えられる化合物です。 難燃剤を添加するのはフェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂です。
【種類】 ハロゲン(臭素、塩素)系化合物 リン系化合物 無機系化合物 ※これらの化合物は一般に毒性が強く、分解されにくいなどの問題点も指摘されています。
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