ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)

ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloridePVC)とは

塩化ビニルの重合によって得られる重合度 300 10,000 の高分子化合物です。

 

構造式

 

性 質

  無味無臭

  透明で非結晶性

  比重 1.4、見かけ比重 0.40.7 の粉末

  可塑剤を加えることで軟質(形を変えられる )になる。

  可塑剤やその他の添加剤と混ざりやすく、幅広い性質の材料を作ることが
   できる。

  酸、アルカリなどの薬品に耐性がある。

  油脂、アルコールなどに耐性がある。

  有機溶剤に溶けにくいが、テトラヒドロフラン、シクロヘキサンなどには
   溶ける。

  吸水性、透湿性は非常に低い。

  耐水性は極めてよい。

   電気絶縁性に非常に優れている。

 

用 途

 

    
       卵パック

硬質塩ビ製品

漬物、つくだ煮などの容器(パック)

果物ケース

卵パック

軟質塩ビ製品

透明性、強靭性、自己粘着性、延伸性に優れ、
適度なガスバリヤー性がある。

スーパーマーケットや食料品店などの業務用や家庭用に広くラップフィルムとして使用されていました。

ガラス瓶のシーリング

手袋(使い捨てから厚手のものまで)

 

 現在、家庭用PVC製ラップフィルムは事実上市販されていません。焼却
   時のダイオキシン生成問題を境にして、使用が回避され、多くはPE製の
   ラップフィルムに転換しています。

 

 諸外国では可塑剤としてアジピン酸( 2−エチルへキシル)(DEHA)を
   使ったPVCラップフィルムが広く使用されています。

 塩ビはもともと、水道管のように硬いプラスチック(硬質塩ビ)ですが、フタル酸エステル類などの可塑剤を大量(最大で樹脂と1:1程度)に加えることにより、おもちゃのソフト人形のように軟らかい(軟質塩ビ)製品を製造しています。   
                                                 

 

使用上の注意

  ポリ塩化ビニル製品は熱に弱いので、 熱湯につけたり電子レンジで使用
   することは避けて下さい。

  硬質製品では約80℃で変形が生じ、低温でも強度が低下しもろくなるの
   で、冷凍する場合注意が必要です。

  ポリ塩化ビニル製ラップフィルム、手袋を使用する場合には、可塑剤の
   溶出を避けるため、油脂または油脂性食品の使用には使用しないで下さ
   い。

    ※ 油脂、油脂性食品の器具・容器包装に、フタル酸ジ(2−エチルへ
      キシル)(DEHP)を可塑剤として使用することが平成15年
     (2003年)8月から禁止されています。

   一般の食品でも直接食品を包んだりせず 、深めの陶磁器などの容器に入
   れ接触しないように覆って使用しましょう。
 

 

 

 

 

 

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